驚きの健康効果!日本が誇る大豆文化を詳しく調べてみました
こんにちは。もと公立高校の英語教諭で、現在は英語通訳ガイドで生計をたてているゆういち(@lifeasaguide93)です。
私は現在日本を代表する食材、大豆食品にハマっています。例えば、代表的なものとして、醤油、味噌、豆腐、高野豆腐(凍み豆腐)、納豆、おから、きつね揚げ、湯葉なとが挙げられます。
私は幼い頃から、大豆食品は普通に食べてきましたが、最近は、特に納豆と豆腐は、なんとなくお手軽かつ、低カロリー、体に良いと思い最近意識して食べてようにしています。
おそらく、幼い頃から親や周囲の大人に「体に良いから食べなさい」と呪文のように刷り込まれてきたからでしょう。今回真剣に大豆について調べてみると、40歳に近いおじさんの私にとって魅力的な効能がたくさん出てきました。
動脈硬化の予防、血圧降下、がんのリスク低減、便秘解消、糖尿病予防、アンチエイジング、美肌効果、認知症の予防等、まさに全部の効能が必要!と感じています。
先人の知恵は偉大です。我々日本人は無意識のうちに体に良いものをかなりの頻度で接種していたのですね。(もちろん、大豆アレルギー、病気が原因で食べれないという方もいますが、今回はあくまで一般論です。)
我々日本人の代表的な食文化を考えてみると1日3食、かなりの確率で大豆食品が登場するのではないでしょうか?今回、日本文化を紹介するガイドらしく、外国人に説明するという視点から、日本の大豆食品の歴史と効能などについて学習してみました。
- なぜ日本の豆腐は世界中から注目されるのか?
- 大豆のルーツは?どこで生まれた?
- 日本の代表的な大豆食品と歴史
- なぜ大豆は日本で大切な食材に?
- 日本は大豆の自給率が低いのはなぜ
- 大豆の驚くべき健康効果について
なぜ日本の豆腐は世界中から注目されるのか?
まずは豆腐の話題から始めたいと思います。なぜ豆腐はこれほどまでに有名なのでしょうか。大豆の健康効果やヘルシー食材としての価値を考えると、理解はできますが豆腐でなくとも大豆製品であれば他の食材でも良いはずです。
しかしながら豆腐はいつも注目されている印象です。そのにはいくつか理由があります。
調理方法の幅が広く何かと登場回数が多い
豆腐と言えば和食を代表する食材の一つですが、和食は日本人の伝統的な食文化として
2013年にユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
世界からの和食への関心度は年々増していると言っても良いでしょう。その中で豆腐が注目される一つの理由は、その調理方法の豊富さと目立ちようが他の食材に比べ群を抜いているのだと考えます。
日本を代表する他の食品を考え行くと、例えば、こんにゃく、したらき、もち、昆布、かつおぶし等が挙げられます。
大豆食品はというと、豆腐、納豆、醤油、そして味噌がありますね。そして豆腐には豆腐を加工した食材、例えば、厚揚げ、がんもどき、油揚げ、凍み豆腐、おから(一応仲間に)と、あまり考えなくてもこれだけの食材が挙げられます。
これらが組み合わさって日本食となっており、これらを考えると和食における豆腐の出現率はとにかく高いことがわかります。
そもそも大豆食品自体が世界的に考えると珍しい
え?嘘でしょう!?と思うあなた、私も同じでした。世界的に有名な中華料理の麻婆豆腐や韓国料理のスンドゥブがあるじゃない!と思われていることでしょう。
これらは材料に豆腐が入っていますから、もちろん大豆料理ですね。それではその他に豆腐や大豆を使った有名外国料理を挙げられる方はいますでしょうか?
おそらくあなたはフリーズしてしまうでしょう。もしくは頑張るあなたでも世界の豆料理を挙げることに成功しても大豆までたどり着くのは難しいのではないでしょうか。
例えば、世界の豆料理を考えると、いろいろ出てきますね。インドの豆カレーや豆をつぶしてコロッケのように揚げたもの、豆のスープ等、世界各国で食べられています。
しかしながら、他の国で主に使う豆はヒヨコ豆、レンズ豆、いんげん、そらまめとそれらに似た品種なのです。うそでしょう?大豆って世界的に見てレアなの!?実はレアの部類に入るのかもしれません。
このようなわけで、世界全体でみるとレアな豆種でできた日本食を代表する食材の豆腐というものは注目されないわけがないということになります。
大豆のルーツは?どこで生まれた?
それでは、ここからは世界的にみるとレアな大豆のルーツを探ります。察しの良いあなたはすでに分かっているかもしれません。
大豆の起源として有力な説が中国が始まりとされるもので、中国から近隣の朝鮮半島、東南アジア諸国、日本に広がっていったとされていました。
しかし、最近の研究では中国から大豆がもたらせる前にも日本国内では独自の大豆種を育てていたということがわかっています。もしかすると、大豆の起源は日本という可能性もあるのかもしれません!
生産の面では20世紀初頭までは中国、朝鮮半島、そして日本だけが大量生産を行っておりました。大豆需要の少ないヨーロッパでは、ごく一部でのみ小規模生産が行われていましたが、大豆栽培は普及せず輸入でまかなうというのが常識だったようです。
今でこそ生産量が世界で最も多いブラジル、アメリカ、そしてアルゼンチンの生産の歴史は新しく第二次世界大戦後にアメリカで始まりました。
第一次世界大戦後に大豆がアメリカにもたらされ、大豆がササゲやトウモロコシよりも多湿害に強いことがわかり栽培が普及していったのが始まりでした。そして、その後ブラジル、アルゼンチンへと普及していったのです。
大豆生産主要国の食用大豆の生産は少ない!?
実は近年、大豆食品が健康食品として注目される以前、世界の大豆生産主要国のアメリカ、ブラジル、アルゼンチンでは国内でほとんど大豆が食用として消費されていませんでした。
それでは大量に生産された大豆はどこに行っていたのでしょうか?
なんと、驚くことに生産された大豆は、潤滑剤、燃料、建築資材、文具、洗剤などの工業用品として加工されていたんです!そして、かろうじて食用に加工される大豆は搾油となり、搾油の生産量は現在成長期となっています。
油は食用なので、100歩譲って理解はできますが、それでも、なんとなく我々日本人の感覚としてはもったいないような。。。現在では世界中で大豆加工食品の需要は急増しているため、北米、南米でも食用の大豆生産は増えています。
大豆食品はベジタリアン、ヴィーガン向けの食材としてもよく活用されているため、今後さらに食用大豆の生産が増えていくことでしょう。それでも我々日本人の大豆消費量と比べると、まだまだ世界的には大豆はメジャーな食べ物ではないのです。
日本の代表的な大豆食品と歴史
大豆のルーツを理解していただけたところで、我々日本人に馴染みが深い大豆食品についての歴史をたどっていきましょう。
味噌の歴史
味噌󠄀の歴史は飛鳥時代(6世紀から8世紀)までさかのぼります。当時味噌は中国からもらたらされた貴族階級や寺院に珍重されるご馳走だったのです。当時は直におかずとして食べたり薬として利用されておりました。
いまでこそ、味噌といえば味噌汁という日本の文化ですが、当時はもったいなく汁物として飲むことはありませんでした。味噌汁の文化が始まったのは鎌倉時代に武士が「一汁一菜」の食事習慣を確立した頃からというのが定説です。
ちなみに、我々にとって馴染みがある「一汁三菜」の文化は鎌倉時代より古い平安時代に始まったと言われており、一汁三菜は鎌倉武士の当時の質素、倹約主義が確立されてことによります。
醤油の歴史
古くは、8世紀初頭(飛鳥時代で奈良時代に入るすぐ前)の大宝律令に、醤油の起源らしき調味料の記述があると言われていますが、諸説あり定かではありません。
鎌倉時代に入り味噌文化が中国よりもたらされ、味噌の製造過程で、桶の底にたまった液体(今のたまり醤油に近いもの)を調味料として利用する食文化が始まりました。
室町時代には、現在のものに近い醤油が醸造されるようになり「醤油」という文字も誕生しました。
その後、醤油は我々日本人にはなくてはならない調味料となりました。醤油が生まれなければ、寿司、そば、うどん、天ぷら、うなぎの蒲焼き、すき焼き等に代表される日本食の大半がこの世になかったことになります。
豆腐の歴史
豆腐は奈良時代(710年~784年)に中国から伝わったとされています。最初はお寺の僧侶の間に普及し、その後精進料理の文化が仏教僧から貴族社会や武家社会に伝わり、室町時代(1393年~1572年)には、全国的に豆腐の文化が広がっていったと言われています。
納豆の歴史
納豆の歴史は諸説あります。例えば起源は弥生時代説、もしくは聖徳太子の飛鳥時代説、いずれも調理後放置された大豆が自然に発酵し納豆ができたとされています。
それでは有名は水戸の納豆の歴史はどうでしょうか?
水戸の納豆の歴史は源義経が1083年、奥州へ向かう途中に義経が泊まった水戸の屋敷に由来すると言われています。馬の飼料であった煮豆の残りが納豆になったとされ、やはり自然に納豆が出来上がったようです。
実は秋田県にも、源義家にまつわる納豆の歴史が残っています。義家が清原家衡との戦い前、現在の横手市付近で大雪に見舞われ足止めされてしまいます。義家は時間がなかったため、農民に煮大豆を用意させ、それを藁で包み携帯し軍を進めました。
次第に大豆が香りを放ち、糸を引くようになりましたが、恐る恐る食べてみたら美味しかったので食用としたとされています。
枝豆の歴史
現在日本人にはもちろん、外国人にも大人気なのが枝豆です。英語でもEDAMAMEとそのまま呼ばれており、外国人にとっての枝豆の知名度はもしかしたら豆腐より高いかもしれません。
枝豆は奈良、もしくは平安時代には食べられていたとされていますが、はっきりとわかってはいません。それではビールと枝豆の文化はいつから何のでしょうか?もちろんビールが日本に入ってきてからなので、それほど歴史は古くありません。
しかしながら、枝豆は江戸時代にはすでに日本人にとって気楽に食べられる「おつまみ」としての意識は確立されていたようで、もしかしたら日本酒と言えば枝豆というところから、ビールと枝豆に結びついたのかもしれません。
なぜ大豆は日本で大切な食材に?
先に書いたように、大豆の起源は中国で約2,000年以上前に大豆文化は日本へ伝わってきたと考えられていました。しかし、なんと約5,500年前の縄文時代中期には大豆の栽培が盛んだったことが現在わかっております。
さらには、さらに前の時代、1万数千年前から大豆は縄文人に食べられていたということさえ言われています。仮に縄文人が大豆を食べていたのだとすると、彼らは栄養価の高い大豆を本能的に大切な食材と認識していたでしょう。
その後、奈良時代の古事記にて、大豆は5穀(稲、麦、粟、小豆、大豆)のうちの一つとして、公に日本人の大切な食料となったのです。
また、この時代大豆が原料のきな粉が日本に伝わり主に薬として利用されていました。大豆には、ビタミンB1が多く含まれており、ビタミンB1不足が原因で発症するカッケの治療、予防薬として珍重されたようです。
続く鎌倉時代には国内で肉食忌避の仏教が広まっていたため、大豆は貴重なタンパク源として大切にされ栽培も各地に広がっていきました。どうやら、日本で大豆が大切にされているのは遥か昔からで、そこに仏教の教えが影響し日本全国に拡張したということが言えそうです。
日本は大豆の自給率が低いのはなぜ
日本において古の時代から貴重な食材として食されてきた大豆ですが、なんと驚くことに日本の大豆自給率が低いことを、あなたは知っていますか?国内の生産は全体の約5%程度で、残りの約95%が海外からの輸入でまかなっているのが実態です。
なんと!それでは理由を解説します。主な理由は以下の4つです。
1. 食生活の変化
2. 外食の習慣が当たり前になった
3. 戦争の負の遺産
4. 実は実際に食べる分は自給できている!?
1. については、たぶんあなたは、あ!と思うでしょう。世代間に違いはあるものの、そもそも日本では伝統的な日本食離れ(=私の今までの説明より、大豆離れと言い換えても問題ないでしょう)が進んでいます。
ごはんと味噌汁ではなく、パスタとミネストローネ、ハンバーガーとコンソメスープ、冷奴ではなくカルパッチョ、きな粉餅ではなくケーキなどなど、単純に大豆を摂取する機会が減っています。その結果、大豆を栽培する農家の数は年々減っています。
2.は日本に外食の習慣が確立したことに関係があります。大豆は実は育てるのが難しくその年によって豆の生産量や状態が変わってしまいます。つまり、毎年豆の質、値段に大きくばらつきが出てしまうのです。
外食産業としては、品質のばらつきが少ない 、季節や天候状態による値段の変化が少ない、そして必要な数量を確実に確保できるという条件が必要です。残念ですが、日本の国内生産はこれに十分対応できていません。そして栽培農家の数も年々減ってしまっています。
3.についてです。なぜ大豆の生産が戦争?と思われるでしょう。しかしながら事実です。かつての大日本帝国は、日清日露戦争後に満州国を設立しました。そしてこの地を大豆の特産地としました。これにより、それまで国内で自給できていた大豆を満州に頼り、海外から安い大豆が大量に輸入されてくるようになったのです。
その結果、国内の大豆農家は大豆を作るのをやめてしまいます。その影響がいまでも残っているのです。敗戦後、日本は満州国を失い同時に大量の大豆を失います。しかし大豆は日本食に欠かせないものです。戦後の日本はアメリカをはじめ海外から大豆を輸入するようになりました。
4.についてですが、現在日本国内で生産される、ほぼ全ての大豆が食用に加工されています。ここでいう食用は搾油を除く食用大豆製品に加工されるものを指します。実は日本で消費される大豆を見てみると、約7割が搾油で、これらほぼ全てを輸入に頼っています。
一方で、豆腐、納豆、みそ、しょうゆなどの食品用として加工されるものは、2割は国産で頑張っているという状況です。(残念ながら全て国産でまかなえていません!)もちろん、国産大豆はほぼ全ての量が食品用として加工されます。
いつの日か、大豆大国日本の名に恥じぬよう日本における食用大豆自給率が100%になることを願います。
〈主な参考資料〉
農林水産省・大豆のホームページ
農文協『農業技術大系(作物編)』
大豆の驚くべき健康効果について
大豆の健康効果についてご紹介します。よく日本人は健康で長生きと言われますが、なぜ日本は他国に比べて長寿国なのでしょうか?私は大豆について調べていくうちに確信しました。その答えは、我々が大豆を食べ続けているからということです。
大豆に含まれる大豆たんぱく質には血中コレステロールを下げ、血管をしなやかにし、動脈硬化を予防する効果があり、 また、血圧を下げる働きもあります。
そして大豆イソフラボンは、がんのリスクを低減、骨粗しょう症や更年期障害の緩和に作用します。また、女性ホルモン「エストロゲン」に近い働きをするので、乳がんのリスクをさげたり、抗酸化作用 による抗がん効果が期待できます。
大豆に含まれる食物繊維には、便秘解消、抗がん、糖尿病の予防を期待することができます。その他にも大豆に含まれる様々な成分が、肥満予防、肝機能障害の改善、美肌効果、アルツハイマー型認知症の予防効果等に作用すると言われています。
大豆を食べることで、あなたはすこぶる健康になれるかもしれませんね!しかしながら、食べすぎには注意してください。
大豆イソフラボンの過剰摂取は女性ホルモン「エストロゲン」に近い働きをするため食べすぎるとホルモンバランスの乱れにつながりかねません。特に女性は肌荒れや月経異常、自律神経の不調などを引き起こしかねませんので注意が必要です。
また大豆を食べすぎた場合に、大豆の食物繊維が腸を刺激しすぎて下痢を引き起こす可能性もあります。大豆の摂取は適量にすることを心がけましょう!
日本の先人の知恵に感謝!
日本を代表する食材の大豆について詳しく調べてみました。大豆はなぜ世界的に注目される食材なのか、大豆のルーツ、大豆食品の歴史、生産や健康効果についてなど、かなり詳しくご紹介しました。
我々日本人の食生活の変化や外食産業の発展などが理由で、現在日本における大豆農家は減少傾向にあります。しかしながら生産量こそ減っているものの日本における大豆の消費量はすさまじく、大豆製品は我々日本人の日々の食卓には引き続きかかせないものとなっています。
現在世界中で大豆の健康効果やヘルシーさが注目をされています。この流れに日本も乗っかり大豆生産ブームが到来し、大豆自給率100%となる日が来るのを願っています。
あなたも是非先人の知恵に感謝をし大豆を食べて健康に長生きをしましょう!
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