中国 長江クルーズと三国志ゆかりの地を巡る旅(2007年3月)
こんにちは。もと海外旅行添乗員&公立高校の英語教諭で、現在は英語を使う仕事で生活をしているゆういち(@lifeasaguide93)です。
過去の海外添乗の記録を粛々と綴っていますが、今回はスケールの大きい中国の旅です。2380kmに及ぶ長江クルーズの添乗をしてきました。浙江省、上海市、江蘇省、安徽省、江西省、湖北省、三峡ダム、白帝城、重慶市を訪ねています。
以下、現地事情詳細です。
三峡に代表される各地の風光明媚な名所地、三国志の舞台と歴史、そして世界最大規模の三峡ダムの見学など楽しんできました。
- 1日目 千歳~上海
- 2日目 上海~重慶
- 3日目 重慶~豊都
- 4日目 白帝城~三峡下り~神農渓
- 5日目 三峡ダム~沙市
- 6日目 終日クルーズ
- 7日目 武漢~赤壁
- 8日目 九江~景徳鎮~江口港
- 9日目 南京
- 10日目 揚州
- 11日目 無錫
- 12日目 揚州~錦渓~蘇州
- 13日目 蘇州
- 14日目 蘇州~東山風景区~上海
- 15日目 上海~千歳
1日目 千歳~上海
午前、千歳空港を出発し上海へ。到着後、到着後空港近くのホテルにチェックイン。
(上海「華美達大酒店」泊)
2日目 上海~重慶
上海「バンド、もしくは中国語で外灘(ワイタン)エリア」
早朝ホテルを出発し空港に移動です。国内線にて重慶へ。市内で四川料理の昼食をとり午後重慶博物館へ。重慶と長江の三峡流域(揚子江)の歴史などを見学しました。
早めにホテルにチェックイン。この日は各地からチャーター船に乗船するグループの移動日でした。札幌発のお客様は乗り継ぎの都合上、他の出発地のグループに先駆けて重慶に入っていたのです。
(重慶「海逸酒店」泊)
3日目 重慶~豊都
朝ホテルを出発し重慶市の港へ。いよいよ乗船です。まずは乗船後船内ラウンジにて各スタッフ、ガイド、添乗員などの紹介と船のオリエンテーション。その後昼食を船内で食べました。
夕刻、船は重慶市豊都県に到着しました。電気カートに乗り道教の名山「鬼城」へ。地獄をイメージしてつくられたお寺で内部はテーマパークのようになっています。中国のお寺はどこも必ずと言って良いほど階段が多いです。約2時間で見学しました。
寺があり、最奥には閻魔大王が鎮座していました。
「鬼城の見学」
お酒の鬼など、さまざまな鬼の像がありました。馬の鬼、鳥の鬼、など、バラエティーに富んでいて思わず笑ってしまいました。鬼城の奥にはメインのお寺があり、最奥には閻魔大王が鎮座していました。
「色鬼(エッチな鬼)」
見学後、船内に戻り「ウェルカムディナー」を楽しみました。
(船内泊)
4日目 白帝城~三峡下り~神農渓
この日の下船観光は奉節県、三国志で有名な劉備玄徳がその最後を迎えた白帝城の見学です。白帝城は三峡ダムの完成で長江の水位が上がったため、小さな島となりました。現在は下の写真のような小船に乗り換えて白帝城へ向かいます。到着後、約400談の階段を上りました。水位が上がる前は600段以上あったとのこと・・
その後、長い階段を上りようやく白帝城の頂上へ。門をくぐるとお寺の境内があり、下の写真はメインのお寺「明良殿(めいりょうでん)」です。劉備が孔明に子供を託すシーンが再現されていました。地内には江沢民、周恩来、毛沢東、そして李白の詩の石碑もありました。
11時頃に三峡の最初の渓谷で三峡の中で最も短い「三峡瞿塘峡(くとうきょう)」に入りました。風光明媚な三峡は中国のあまたの詩人たちが作品のモチーフにしてきました。
船内にて昼食後、13時頃には2つ目の渓谷「巫峡(ふきょう)」に入ります。、谷間から登る朝日や、神女峰(じょにんほう)も見えました。
「神女峰」
午後は神農渓へ。巫山(ふざん)にて、中型の船に乗り換え小三峡クルーズへ。龍門峡(りゅうもんきょう)、巴霧峡(はむきょう)、滴翠峡(てきすいきょう)を通過、川幅も狭く、迫りくる山肌に圧倒されました。
その後、さらに小さな船に乗り換えます。水位が上昇したおかげで入ることができるようになった小小三峡へ。静寂な雰囲気の中、エメラルドグリーンの水色が印象的でした。
小小三峡クルーズ後、船に戻ります。デッキにて風光明媚な景色を楽しました。この日、夜中12時過ぎに三峡ダムに到着。デッキに出てパナマ運河式の五段階水門を抜ける様子を見学しました。
「三峡ダムのライトアップ」
「三峡ダムの五段階式水門(イメージ:違うツアーの添乗時から」
すみません、暗すぎて水門の写真は、この添乗では撮影しませんでした。上の写真は再訪した際、三峡ダムに到着した時の写真です。(上海→重慶の逆回りだったため深夜の到着ではありませんでした。)
三峡ダムは、中国における万里の長城以来の国家プロジェクトとして建築を進めたられたと言われています。到着後は、水門を抜けるため、しばし順番待ちとなります。夜中デッキで辛抱強く待っていると、いよいよ第一閘門(こうもん)へ。
デッキから眺める圧倒的なスケールのコンクリートの塊が、世界一の規模を感じさせてくれました。発電量、建設費、使用されたコンクリ―トの量等、いずれをとっても想像を絶するスケール。その後、徐々に五段の閘門を進んでいきました。
(船内泊)
5日目 三峡ダム~沙市
午前、三峡ダムの見学です。 代償としてとして、以前の美しい三峡の景色を大きく変化させた三峡ダムですが(現在も川の水位が上がり異なった美しさはもちろんあります)、その後の中国の発展に欠かさない存在になったということを三峡ダムの見学で確信しました。
ダムの建築に際して、延べ113万人の地元住民が移住させられ、川沿いの風景も大きく様変わりしたのです。三峡ダムの見学ではダムの堤防や壇子嶺でダムを上から眺め、模型室ではダムの模型で全体像を理解しました。日本全体のダムの総貯水量の2倍、全長2,309mという規模のスケールに圧倒されました。
船に戻り出港すると、間もなく最後の三峡「西陵峡」に到着です。全長66kmの西陵峡ですが、デッキに出て見学。
昼食を船内で済ませ、午後船は葛州覇(かっしゅうは)ダムを通過、高低差約20m、1段のシップロックをこえていきました。その後、のんびりと船内にて過ごします。夕食は船員たちがショーを行い、我々を楽しませてくれました。
四川省名物「変面のショー」
船は沙市という港に停泊。
(船内泊)
6日目 終日クルーズ
この日は、前日からの濃霧のため、船は予定していた岳陽への寄港ができませんでした。安全第一で船は船長指示で武漢に向かうことになりました。終日クルーズの日となりましたが船内ではいろいろなイベントが行われ船員たちがお客様を楽しませてくれました。
船内イベント:太極拳講座
船内イベント:餃子づくり講座(司会は私と中国人ガイド、呉さんでした。)
(船内泊)
7日目 武漢~赤壁
この日はチャーター船の利点を活かし、お客様の希望に合わせた観光をご案内しました。お客様は2つの選択肢(①武漢にのんびり滞在、②午前武漢観光、午後赤壁(レッドクリフ)への観光)から選ぶことができました。
私は赤壁に行きたい!という願いが幸い叶い赤壁に行くことができました。武漢ではまずは江南三大名楼に数えられる黄鶴楼や湖北省博物館の見学をしました。
黄楼楼の建立は三国時代の233年ですが、現存するのは清代に再建されたものです。高さは51.4mの五階建てで、エレベーターで5Fまで行くことができます(有料)。そこからは頑張って階段を登ります。
もちろん歩くことができますが、歩くと階段は600段以上はあります。帰りは、エレベーターか徒歩を選択することができますが徒歩でのんびり降りることがおすすめです。黄鶴楼からは雄大な長江と武漢の街並みの景観を楽しむことができます。
湖北省博物館は、湖北省で発掘された土器や陶器、その他文化財を合わせ20万点近くを所蔵する中国有数の博物館です。その中でも貴重な青銅器コレクションと編鐘の展示を中心にガイドの説明と共に楽しみました。編鐘は2200年以上前の楽器なのですよ!
午後は赤壁へ向かいます。道中の菜の花が綺麗でした。
赤壁では、赤壁対戦陳列館や諸葛孔明が南東の風を呼ぶために拝んだ拝風台、三国志の中でも美男子として知られる周瑜像と崖に書かれた赤壁の文字を見学。三国志のロマンと映画「レッドクリフ」の世界感について思いを馳せました。
赤壁:拝風台
赤壁:赤壁
赤壁はとても素朴な観光地ではありますが、三国志ファンの間には欠かせない貴重な観光地です。夕食は船内にて。
(船内泊)
8日目 九江~景徳鎮~江口港
午前、下船し約2時間半移動し景徳鎮へ。屋外の工房にて、陶磁器ができるまでの過程や古窯を見学しました。工房にはお土産屋もあり、安いものからとても高額なものまでいろいろ販売していましたね。
景徳鎮:工房見学
景徳鎮:古窯(世界遺産)
景徳鎮の工房を見学後は、昼食をとり午後陶磁器卸売市場や景徳鎮博物館を見学しました。博物館では規模は小さいものの各年代毎の貴重な景徳鎮コレクションを見る事ができました。その後、バスで約3時間半かけて船が待っている江口港へ。揚子江の水位の関係で急遽予定していた貴池港に船が寄港できず、江口港へ移動となったのでした。
(船内泊)
9日目 南京
この日は、終日江蘇省の州都である南京の観光です。明代の城壁が南京の代名詞ですが、北京、西安、洛陽と並ぶ中国四大古都の一つです。午前は中山陵と明考陵の見学をしました。
近代中国の父孫文の墓でもある中山陵の見学です。ものすごい人の数と階段の数でした。
中山陵見学の後は明考陵へ。明考陵は明王朝を開いた太祖朱元璋の陵墓です。敷地内は広く2時間かけて散策しました。写真は三国志の英雄、孫権の石碑です。かつて南京は三国志、呉の国の都がおかれたため、孫権の石碑も残っているのです。
市内にて昼食後、世界一大きいといわれる南京の城壁の正門にあたる中華門の見学をし、その後閲江楼へ。丘の上にそびえる黄色い楼閣からの長江の眺めは素晴らしかったです。
閲江楼は、朱元璋が明朝の基礎を築く戦いの舞台となった獅子山の山頂に建設した4層7階の楼閣です。頑張って一番上まで登りました。その後、帰船。
(船内泊)
10日目 揚州
本日は江南水郷の町、揚州の観光です。午前、鑑真和尚ゆかりの大明寺、江南の名園「個園」を見学しました。
鑑真と言えば、日本へ仏法や戒律を伝えた高僧ですが、実はこの大明寺の住職だったのです。上の写真は鑑真記念堂です。中には日本国宝である、唐招提寺所蔵の鑑真和上を模した像や遣唐使船の模型などが展示されています。
鑑真記念堂は鑑真の逝去 1200 周年を記念するために建てられました。鑑真は日本に、書道、建築、彫刻、薬学などの多くの知識をもたらし、日本文化にも大きな影響を及ぼしました。
日本人にとって恩人にあたる鑑真のお寺は是非、揚州を訪ねたら訪問したい観光地です。
大きな仏塔は棲霊塔と呼ばれています。もとは隋代の創建時に建てられた9階建ての塔で、李白や白居易も登ったらしい。登りませんでしたが、お金を払うと登ることができるようです。
江南の名園「個園」です。江南地域の中国庭園は有名で、特に蘇州には、拙政園、留園や網師園といった素晴らしい庭園があり、それらの多くは明の時代に造られています。
今でこそ中国庭園といえば蘇州という雰囲気がありますが、実は揚州は明の後の清の時代、塩の流通で富を築き栄華を誇り、多くの庭園を築いていたのです。残念ながら、多くの庭園は太平天国の乱、辛亥革命、国共内戦や日中戦争といった相次ぐ戦乱の中で喪失してしまいましたが、個園は幸い戦火を免れ、現在も見学することができます。
明より新たしい清の時代に造られたことから、蘇州の庭園に比べ個園は、狭い敷地に立体的に構成されていること、太湖石があまり使われていないというのが特徴です。(清の時代にはすでに太湖石は掘りつくされていた)
素晴らしい中国庭園で、散歩にはちょうど良い規模です。ところどころ茶室が設けられており、天気の良い日にはお茶を飲みながらのんびりできます。
昼食を市内レストランで食べ、午後は痩せた西湖のような細長い形の湖として知られる痩西湖の遊覧を楽しみました。
痩西湖のハイライトの一つ、五亭橋です。
痩西湖見学後、双博物館にて国宝の景徳鎮コレクションや木版印刷の展示を見学し船に戻りました。
夕食後は船員たちによる催しを楽しみました。現地で音楽家たちも船に乗船し素晴らしい演奏を披露してくれました。
(船内泊)
11日目 無錫
この日は江南水郷の町、無錫へ。無錫は市内に北京と杭州を結ぶ京杭運河を中心に多くの運河が張り巡らされている水郷の町です。写真は中国で四番目にンはい大きい(日本の琵琶湖の約3倍)太湖です。約1時間半かけて広い湖を専用船で遊覧しました。柳の木々と奥に見える中国伝統式家屋、また敷地内の中国式建造物が素晴らしく、タイムスリップしたような感覚でした。
市内で昼食をとり、午後は南禅寺界隈を散策し船に戻りました。
(船内泊)
12日目 揚州~錦渓~蘇州
船を下船し、バスにて錦渓へ。江南水郷古鎮の旅の開始です。錦渓では小船に乗りのんびり遊覧を楽しみました。
錦渓では昔のままの素朴な古鎮の街並みを見学できました。
錦渓見学後、蘇州へ移動しました。蘇州到着後、蘇州博物館を見学しホテルへチェックイン。
(蘇州:人家大酒店泊)
13日目 蘇州
午前、まずは刺繍博物館へ。中国を代表する伝統技術を見学しました。その後留園へ。中国ならではの庭園と大きな太湖石を見学しました。
「留園」
「留園:太湖石」
「拙政園」
見学後、東洋のピサの斜塔、虎丘の塔を遠望しホテルへ戻ります。ホテルにて昼食後、拙政園へ。見学後、平江路へ。新しものと古いものが調和したおしゃれな観光地でした。夕食は山塘街にて。午後はライトアップされた町並みを見学しホテルへ戻りました。
(蘇州泊)
14日目 蘇州~東山風景区~上海
午前、太湖に突き出た半島にある新しい見どころ、東山風景区へ。陸巷古村を見学しました。昼食を村のレストランでとり上海へ向かいます。上海では上海のランドマーク「東方明珠塔」で写真ストップ、そしてバンド地区(外灘)を歩きました。その後ホテルにチェックイン。夕食は市内レストランにて上海蟹フルコースを堪能しました。
(上海:華美達大酒店泊)
15日目 上海~千歳
早朝、上海の空港へ。一路帰国となりました。
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